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記事: 花粉は犬にも影響する?犬の皮膚トラブルとの関係性についても解説

犬 花粉

花粉は犬にも影響する?犬の皮膚トラブルとの関係性についても解説

花粉が飛散する季節では、人間とは異なる形で犬にも花粉の影響が出る場合もあります。

実は気づいていないだけで、愛犬も花粉の影響を受けているかもしれません。

花粉が飛散する季節に起こり得ることを把握して、花粉への対策をすることで負担を軽減してあげましょう。

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葛野 莉奈

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麻布大学卒業後、神奈川県内の動物病院および会員制電話相談動物病院での勤務を経て、神奈川県に「かどのペットクリニック」を開院した。皮膚科と産科を得意分野とし、診療にあたる。また、往診による在宅でのケアにも力を入れている。私生活においては、ミニチュアダックスフント、パピヨン、プーリーなど12頭の犬、および病院猫3匹と共に生活している。

花粉の飛散と犬の皮膚トラブルの関係性

飼い主さんたちの生活に大きな影響を与える花粉症ですが、実は人間だけでなく犬にも花粉の影響があります。

犬の場合、くしゃみや鼻水といった症状よりも、皮膚の赤みや強いかゆみとして変化が現れやすいことが特徴です。

花粉による負担を減らすためには、生活習慣を見直したり、対策を取ったりすることが効果的です。

花粉の季節には、愛犬の体にどのような変化が起きるかを理解し、できるだけ影響を受けないような生活を心掛けてあげましょう。

犬の花粉症は皮膚に変化が見られやすい?花粉による皮膚トラブルのメカニズムとは

人間では、花粉症は主に鼻や目の粘膜で炎症を起こします。

一方、犬の場合は皮膚に症状が出やすいことが大きな特徴です。

これは犬の皮膚バリアが人間よりも薄く、外からの刺激に対して敏感であることが関係しています。

犬の花粉症の症状やメカニズムを知っておくことで、飼い主が気付かないうちに愛犬が特定の季節に感じていた負担を減らせます。

花粉によるアレルギー反応

犬の花粉への反応として、皮膚症状が見られることが多いです。

これは、犬の皮膚のバリア機能が人間よりも弱く、外部からの刺激に敏感なことが原因と言えるでしょう。

犬の表皮は人間の約3分の1の厚さしかなく、細胞の層もごく少ないため、花粉などのアレルゲンが入りやすい状態になっています。犬の体内にアレルゲンである花粉が入ると、免疫システムが排除しようと過剰に反応することが関係します。

体内の肥満細胞からヒスタミンなどの化学物質が放出されて皮膚の神経や血管を刺激し、炎症として強いかゆみや赤みを引き起こすのです。

アレルギー反応の出方には個体差があり、どの物質に反応するかも犬によって異なるため、アレルギーの特定やアレルギーかどうかを調べるためには検査が必要です。

中には、まったくアレルギー反応を示さない犬もいるため、すべての犬が花粉にアレルギー反応を起こすわけではありません。

特に犬は散歩の際に草むらに顔を入れたり地面に近い位置を歩いたりするため、足先やお腹、目の周りなどに花粉がつきやすく、そこから炎症が広がることが多いです。

もし症状を放置すると、かきむしりによって外傷になる可能性があるため、早めのケアが大切です。

気を付けるべきは春だけ?他の季節にも注意が必要!

「花粉といえばスギやヒノキが舞う春」というイメージが一般的ですが、実際には一年を通して注意が必要です。

春にはスギやヒノキなどの樹木から花粉が多く飛びますが、初夏になるとカモガヤやハルガヤなどのイネ科の植物が、秋にはブタクサやヨモギといったキク科の植物が、それぞれピークを迎えます。

特に夏から秋にかけて注意すべきイネ科やキク科の植物は、樹木に比べて背が低いため、お散歩中の犬の顔や体に直接ふれやすいという特徴があります。

そのため、春の花粉よりも、これらの植物の花粉によって皮膚トラブルが直接悪化してしまうケースも少なくありません。

また、思わぬ植物にアレルギー反応を示していることが、アレルギー検査によって初めてわかる場合もあります。

愛犬がどの季節に特にかゆがっているのか、普段からよく観察して、もし特定の季節に強い症状が見られる場合は、動物病院でアレルゲンを特定する検査を受けることも検討してみてください。

アレルギー性皮膚炎とアトピー性皮膚炎の違いとは

アトピー性皮膚炎とアレルギー性皮膚炎の2つはよく混同されがちですが、厳密には発症のしくみが異なります。

アレルギー性皮膚炎は、花粉や特定の食べ物、外部寄生虫が原因となり、これらの特定物質に免疫が過剰に反応することで起こります。

そのため、原因となる物質を特定して取り除いたり避けたりすることで、症状を比較的コントロールしやすいのが特徴です。

一方、アトピー性皮膚炎は主に遺伝的な要因が関係しており、もともと皮膚のバリア機能が弱いことに加え、免疫のバランスが不安定になることで発症します。

アトピー性皮膚炎の犬の場合、生まれつき皮膚の防御力が低く、外部からの刺激に敏感になりやすい状態です。

このため、花粉やハウスダストなどの環境中の物質が皮膚を通して体内に入り込みやすくなり、免疫反応の引き金となって強いかゆみや炎症が生じます。

そのため、治療のゴールも異なります。

アレルギー性皮膚炎の治療では、食べ物や寄生虫など特定の原因を見つけ出し、生活環境から徹底的に排除することが最大の目的です。

こうした原因を取り除くことで、症状が消えたり軽くなったりする点が大きな特徴といえるでしょう。

一方、アトピー性皮膚炎は遺伝的な要素が強く、発症の引き金となる環境中の物質を完全に取り除くことが難しいという特徴があります。

そこで、投薬によるかゆみの抑制や、スキンケアによる肌のバリア機能の強化が治療の中心となります。

免疫バランスを整える体質改善なども組み合わせて症状をうまくコントロールし、長期にわたって生活の質を保つことが大切です。

実は花粉トラブル?気を付けたいサイン

花粉によるトラブルのサインは、ある日突然現れることもあれば、一見すると日常的なしぐさの中に隠れていることもあります。


飼い主さんが気づかないうちに、犬が慢性的な不快感を抱えてしまっているケースは少なくありません。

特に散歩から帰った後や特定の季節になると見られる変化がある場合は、花粉が引き金となっている可能性を考慮する必要があります。

犬は自分の不調を言葉で伝えられないため、飼い主さんが視覚的な変化や行動の変化を敏感に察知することが、早期発見・早期治療への第一歩となります。

ではどんなことに気をつけるべきなのでしょうか。

発赤

皮膚に赤みが現れる「発赤」は、炎症反応が起きている可能性を示す大切なサインです。

花粉が体内に取り込まれると、体の免疫システムが刺激されて血管が広がり、血液の流れが増えるため、皮膚が赤く見えるようになります。

犬では、特に被毛が少ないお腹や耳の付け根、目のまわりなどに発赤が出やすい傾向があります。

炎症が強まると赤みがさらに濃くなり、熱っぽさを感じることもあるでしょう。

赤みがある場合、かゆみなどの症状が見られなくても炎症を起こしている可能性が高いため、早めに治療を検討した方がよいでしょう。

普段から、スキンシップやブラッシングの際に皮膚の状態を確かめる習慣を持つことが大切です。

さらに、散歩のあとや特定の植物が芽吹く季節に赤みが強くなる場合は、環境中の花粉に対するアレルギー反応が関係していることが多いと考えられます。

掻痒行動

犬はさまざまな行動を通して、体のかゆみがあることを知らせています。

代表的な例としては、足先や特定の場所をしつこくなめ続けたり、顔を前足でこすって拭ったり、後ろ足で激しく皮膚をかいたりする動作が挙げられます。

また、床や家具に体をこすりつける仕草も、手が届かない場所のかゆみを紛らわせようとするサインの一つです。

これらの行動は、一見すると毛づくろいや癖のように見えることもありますが、あまりにも頻繁に行ったり、特定の行動に集中したりしている場合には注意が必要です。

一か所を集中してかく行動によって、外傷のようになってしまう危険性もあるでしょう。

かゆみによる刺激は犬にとって大きなストレスとなり、集中力の低下や食欲不振、睡眠不足などの問題につながることもあります。

飼い主が「少しかゆそうだな」と感じる段階で、その行動の頻度やタイミングを獣医師に伝えることで、花粉との関連性をより正確に診断してもらいやすくなります。

投薬によりかゆみを軽減できる可能性が高いため、早期治療が大切です。

脱毛や被毛周囲の着色の変化

慢性的な皮膚の炎症や掻痒行動が続くと、皮膚だけでなく被毛の状態にも明らかな変化が現れます。

特に注意したいのが、執拗に舐めている箇所の唾液による着色です。

犬の唾液成分が酸化すると、白い毛が茶褐色に変色するため、足先や付け根などの毛色が変わっている場合は、強い痒みがあるサインかもしれません。

さらに、花粉の影響は皮膚だけでなく粘膜にもおよびます。

結膜や瞼に炎症が起きると、涙の分泌量が増え、目の周りの毛が常に濡れた状態で被毛の着色につながる「涙やけ」を引き起こします。

これが続くと目の周囲の皮膚が荒れ、脱毛の原因にもなるでしょう。

口周りや目周りは、犬が散歩中に直接草木に触れやすい部位であるため、こうした局所的な脱毛や着色の変化は、花粉トラブルを疑う強力な指標のひとつとなり得ます。

見た目の変化を見逃さず、皮膚の奥にある炎症のサインとして捉え、適切なケアを検討することが求められます。

負担を軽減するための花粉対策とは?

愛犬が花粉アレルギーと診断された場合、大切なのは生活環境からできるだけアレルゲンを除去する工夫をすることです。

花粉は目に見えにくいためすべてを完全に防ぐのは難しいですが、侵入する量を減らしたり、付着した花粉を早めに取り除いたりすることで、皮膚の炎症につながることを避けられます。

毎日の対策を習慣として続けることは、犬の痒みによるストレスを軽くするだけでなく、皮膚の二次感染症の予防にも役立つでしょう。

また、獣医師のアドバイスを受けながら、愛犬の皮膚バリアを強くすると同時に、花粉を物理的に防ぐ工夫を進めていくことが大切です。

体に付着する花粉や室内に持ち込まれる花粉の対策

室内の花粉を減らすためには、屋外から持ち込まれる「付着花粉」への対策が最も効果的です。

散歩から帰宅した際には、犬の体だけでなく飼い主の衣服にも大量の花粉がついていることを忘れないようにしましょう。

玄関に入る前に飼い主は上着を脱いで花粉を払い落とし、できれば犬専用のウェットティッシュや濡らして絞ったタオルで、愛犬の足先やお腹、顔のまわりなど地面に近い部分をやさしく拭き取ってください。

さらに、散歩の際に犬に服を着せることもとても効果的です。

表面が滑らかで花粉のつきにくい素材のウェアを選ぶと、被毛の奥まで花粉が入り込むのを物理的に防げます。

帰宅後は、玄関先でこの服を脱がせることで、室内に持ち込む花粉の量を大きく減らせます。

また、市販の皮膚への花粉付着を抑える犬用スプレーなどを使用するのも良い方法です。

こまめな掃除や洗濯で花粉を除去

どれだけ玄関で気をつけていても、室内に少量の花粉が入るのは避けられません。

そのため、床や布製品に溜まった花粉をこまめに取り除くことが大切です。

特に、犬が長く過ごすベッドやクッションのカバーは、しっかり花粉を取り除きたい部分です。

カバー用の替えを用意し、定期的に洗濯すると清潔を保ちやすくなります。

PALOPAのベッドには別売りの交換用シーツがあるので、シーツを交換しながらこまめに洗濯すれば、花粉への配慮がしやすくなります。

掃除機をかけるときは花粉除去に適した掃除機を使用するとより効果的です。

ただし、掃除機を使用することで床の花粉が舞い上がってしまうこともあるため、ウェットタイプのフローリングワイパーなどで静かに拭き取ってから掃除機を使用すると良いでしょう。

空気清浄機も活用することで、愛犬が過ごすスペースを常に清潔に保ちやすくなり、花粉によるアレルギー反応を抑えることに役立ちます。

健康な皮膚づくり

環境対策とあわせて重視したいのが、外部の刺激に負けない「健康な皮膚づくり」です。

とくにアトピー体質の犬は、皮膚のバリア機能が弱いため、内面と外側の両方から防御力を高めることが大切です。

食事面では、皮膚の健康を保つために欠かせないオメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸といった必須脂肪酸、さらにセラミドの合成を助ける成分が入ったごはんやサプリメントを採り入れることが効果的とされています。

角質層のうるおいを保ちやすくなり、皮膚バリアが強化されるため、花粉などの刺激となる物が皮膚へ入り込みにくくなるでしょう。

外側からのケアで重要なのは、適切なシャンプーを使った定期的な洗浄と保湿です。

皮膚が敏感な季節は、低刺激で保湿成分が豊富なシャンプーを選び、花粉などをしっかり洗い流すとともに、洗浄後には保湿剤で乾燥を防ぐことがポイントです。

このように、毎日の食事と正しいスキンケアを続けていくことで、環境の変化にも負けない、強くしなやかな皮膚を目指せます。

まとめ

花粉によるアレルギー反応は、命に関わるほど深刻になることはほとんどありません。

しかし、かゆみや違和感といった症状は、愛犬の生活に悪影響を及ぼします。

人間と同じように花粉症の症状が出ると思い込んでいると、愛犬が示すアレルギーのサインを見逃してしまうこともあるでしょう。

そのため、植物の季節には愛犬にどのような変化が現れるのか、あらかじめ正しく理解し、普段から様子をしっかり観察してあげてください。

アレルギー対策として、掃除や洗濯方法を工夫することや室内に花粉を持ち込まないことなどはすぐに始められる対策です。

飼い主さん自身の花粉症対策だけでなく、愛犬も花粉の影響を受けにくい環境になるように生活を見直してみることをおすすめします。

 

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